講演内容/PU装置技術からCFRP用RTM注入機への展開
2015年6月15日 フォームタイムス 新聞記事より
ポリウレタンなど反応性樹脂成形設備専門マシンメーカーのポリマーエンジニアリング(略称PEC)のCFRP用RTM注入機の現状を紹介する。CFRPは強く、軽く、錆びないという特性から、近年航空機や自動車の軽量化用の部材として使用されている先端材料であり、近年産業用途の需要が増えている。
約2年前、トヨタ自動車の量産工場に高圧RTM注入機を納入し、内製によるCFRP製のルーフとボンネットを搭載したレクサスRCFが2014年秋にデビューした。日本で唯一、自動車メーカー本体が量産車の内製に高圧RTM成形を採用したものである。
PECはトヨタ自動車以外の日本の大手自動車メーカーにも既に高圧RTM注入機を納入し、それが稼働している。このケースでは1発目の試作からCFRPの合格品が得られたというエピソードもあるらしい。
自動車の製造に使用される設備においてはそれが高性能であることは当然であるが、故障の無い安定した動作、使用部品の入手利便性が求められる。また、ユーザーに合わせた仕様を作り込む対応の柔軟性や迅速対応も必要。PECのRTM注入機は機械電気全てが日本設計・日本製造で、信頼性が高く故障が無いことはRCFの量産過程で証明されており、純粋な日本製高圧RTM機が日本の自動車業界で採用されるのは十分納得できよう。
注目素材のCFRPであるが、量産を目指す自動車業界以外では、航空機業界やFRPの試作会社、研究開発機関などの、ほぼ手作りで製造を行っている面々が先頭を走っているのが実際。そんな中、PECは去る5月18、19日に東京品川で開催された国際PUフォーラムにおいて同社のCFRP用RTM注入機の開発展開に対する講演を行った。この講演でPECは前述の自動車業界での同社のCFRP用RTM注入機の採用紹介を行った上で、CFRP業界の現状を説明、同じ反応性樹脂であるウレタンを良く知る業界がCFRP生産に参入するよう訴えた。